01
なぜ、今回は失敗しないのか
FIRST OF ALL
ご相談の際、「過去に一度、日報管理システムを導入して失敗した」と伺いました。
原因は「インプットが定着しなかったこと」とのことでした。
ここが、この提案でいちばん重要な点だと考えています。
原因が「機能が足りなかった」ではなく「入力が続かなかった」である以上、
機能を足しても解決しません。
どれだけ優れた集計機能を用意しても、現場が入力しなければデータは1件も溜まらず、
システム全体が無価値になります。前回起きたのは、まさにこれだと考えています。
ですから、打つ手は次の2つしかありません。
| 打ち手 | 本提案での実装 |
| ① 入力しなくても価値が出る構造にする |
原価の計算を、作業者の入力から切り離します。品番マスタの標準工数と材料原単位、そして受注数量だけで原価と粗利が確定します。現場が1件も入力しなくても、経営の数字は毎日出ます。 |
| ② 入力を、続けられる形まで削る |
作業者に文字を書かせません。QRを2回読んで、大きなボタンを2回押すだけです。日本語が読めなくても手が動きます。 |
この2つを同時に満たすため、システムを「二階建て」に分けます(第4章)。
2階(現場の入力)が定着しなくても、1階(原価・粗利)は壊れません。
前回と同じことが起きても、投資が無駄にならない構造です。
02
いま起きていること
CURRENT ISSUES
課題 1
途中製品が、どこにあるか分からない
どこまで工程が進み、どこに片づけたのかが分からず、担当者間の引き継ぎで作業が止まる。探す時間そのものが、毎日積み上がっている。
課題 2
製品ごとの原価が出せない
材料費も人件費も製品別に把握できていないため、その品番で利益が出ているのかが分からない。値決めの根拠が経験と勘に依存している。
課題 3
現場に日本語が前提のシステムを置けない
外国人の作業者が多く、システムに対する敷居が高い。日本語の画面と日本語の入力欄を出した時点で、使われなくなる。
この3つは、別々の問題ではありません
御社の売りは「少量多品種・小ロット/サンプル対応」です。これは
品番ごとに条件が違うということであり、標準原価がもっとも置きにくい業態です。
一方で工程は本社工場と横須賀工場に分かれ、モノは2拠点を行き来します。
つまり「品番が多い × 工程が長い × 拠点が分かれる × 記録が人に依存する」という掛け算が起きており、
課題1と課題2は同じ根から出ています。課題3は、その解決策が現場で機能するかどうかを左右する条件です。
もうひとつ、見えていない費用があります
塗装のやり直し(差し戻し)です。ブツやゴミ、色ムラで検査を通らなかったものは、
剥離してから前処理をやり直し、塗料をもう一度使います。
この費用はどこにも計上されていないため、見積にも反映されていません。
やり直しの多い品番ほど、本当は高い単価をいただく必要があるのに、
いまはその根拠が数字として存在しない状態です。
いま、引合が伸びています。
イプロスの製品情報検索ランキングTOP100入り、多国籍自動車メーカー向け特注ホイールのご受注、
展示商談会への出展。引合が増えている局面では、見積の精度と速さがそのまま利益に直結します。
根拠のない見積で受け続けると、忙しくなるほど利益が減る、ということが起こり得ます。
03
目指す状態
GOALS
このシステムで実現したいのは、機能一覧ではなく、次の3つの状態です。
A. 探さない
「あのロットどこ?」と人に聞かなくてよくなります。工程のどこまで進んだか、いまどの棚にあるかが
一覧で分かるため、引き継ぎで作業が止まりません。
B. 値決めの根拠を持つ
この品番はいくらで受けるべきか、いまの単価で利益が出ているのかを数字で言えるようになります。
値上げをお願いするときも、感覚ではなく原価の内訳を示して交渉できます。
C. 現場が拒否しない
日本語が読めなくても操作できます。そしてもし現場で定着しなくても、AとBのうちBは必ず動きます。
ここが前回との決定的な違いです。
最初に手に入るもの
導入して最初にお渡しするのは、
「粗利率の低い順に並んだ品番の一覧」です。
いま御社の中で、誰も見たことのない情報だと思います。
ここに
赤字の品番が1つでも見つかれば、それだけで投資は回収できます。
04
解決の考え方 ― 二階建て
ARCHITECTURE
システムを、性質の違う2つの層に分けます。
2階|現場の1タップで乗せる層
仕掛品の所在と、作業の進捗
台車のバーコードと置き場所のバーコードを読むだけで、モノの現在地が記録されます。
着手/完了のボタンで「誰が何をやっているか」がボードに出ます。
ここが定着すれば、探す時間と引き継ぎの断絶がなくなります。
1階|作業者の入力がゼロでも成立する層
製品ごとの原価と粗利
品番マスタに工程ごとの標準工数(分/個)と材料の原単位を、管理者側で登録します。
受注ロット(品番+数量)を入れた瞬間に、材料原価・人件費原価・粗利が確定します。
現場が1件も入力しなくても、この層は毎日動きます。
土台:Google Workspace(御社で推進中の環境をそのまま使います)
この構造にする理由
| 日報システムが失敗するときに起きること |
本提案での打ち手 |
| 作業者が入力しないと、データが1件も揃わない。集計機能があっても中身が空で、システム全体が無価値になる |
原価計算を入力から切り離す。標準工数×数量で、管理者側だけで完結させる |
| 1日の終わりにまとめて書く方式。思い出せない、面倒、後回しになる |
入力は作業のその瞬間に1タップ。「書く」という行為をなくす |
| 日本語の画面と日本語の入力欄。読めない人には最初から使えない |
製品は写真、工程はアイコン、状態は色で判別。文字は補助に回す |
| 入力しても作業者には何も返らない。管理者だけが得をする仕組みだと続かない |
ボードに自分の作業が名前入りで出る/次にやる物が写真で分かる/探し物が減る。作業者側の見返りを作る |
| マスタ整備が終わらないまま、導入日だけが来る |
製品グループの代表値を継承させ、全品番を埋めない。整備作業は当社が伴走する |
2階が定着しなくても、1階は壊れません。
「前回のようなことがまた起きたら」というご不安に対して、私たちがお約束できるのはこの一点です。
05
画面をご覧ください
SEE IT WORKING
説明より、触っていただくほうが早いと考え、実際に動くデモをご用意しました。
ブラウザで開くだけで操作できます(インストール不要)。
デモを開く
7つの画面すべてを操作できます。データはお使いの端末内にのみ保存され、外部には送信されません
※ 画面上部の「デモをリセット」でいつでも初期状態に戻せます。表示される品番・金額はすべて架空のサンプルです。
1階
経営ダッシュボード
月次の売上・粗利・粗利率。「いま値決めを見直すべき品番」が粗利率の低い順に並びます。赤字の品番は年間インパクトまで表示。
1階
マスタ管理(品番・工程・材料)
必要なマスタは3つだけです。品番=工程ごとの分/個(ご要望の「管理者側での固定工数入力」)と材料の使用量。
工程=賃率(円/分)。材料=塗料・薬剤・副資材の単価。
入力はどれも「数字を1つ打ち替えるだけ」です。塗料が値上がりしたら材料マスタの1行を直せば、使っている全品番の原価が一斉に更新されます。
1階
受注・見積シミュレーター
品番と数量を入れると原価・粗利が出ます。目標粗利率に届く売単価を逆算し、いくら値上げが必要かを示します。
2階
仕掛品ボード(優先順位と納期アラート)
工程を列にしたカンバン。カードに台車番号と置き場所が必ず載ります。
滞留3日で黄、7日で赤。差し戻しが起きたロットには🧽マークと回数が付きます。まずは納期順の自動並びで運用できます(2a)。
さらに、カードをドラッグして上に動かすと、それがそのまま作業の優先指示になり、
上に置いた順が現場端末の作業一覧の順番になります。納期に間に合わない見込みのロットは「納期危険一覧」に自動で上がり、
Google Chat やメールへアラートを飛ばします(2b)。
2階
工場マップ ― 人とモノを1枚で
工場の見取り図の上に、「いま誰がどこで作業しているか」と「何がどの棚にあるか」を同時に映します。
上段が工程エリア(人がいる場所)、下段が置き場(モノがある場所)。
作業中のロットは機械のところに、待ちのロットは棚に出ます。実際の工場と同じ並びなので、画面を見てからそのまま歩けます。
7日以上止まっているものは赤く光ります。場所の名前は「炉の裏」など現場の呼び名をそのまま使います。
大型モニタに映しっぱなしにして、事務所からも現場からも同じ絵を見て話せる状態を想定しています。
御社からご提案いただいた「一覧ボード」を、棚と人に分けずに1枚へまとめたものです。
2階
現場端末(タブレット)
言語を選び、自分を選び、台車のバーコードを読んで、着手・完了を押し、置き場所のバーコードを読む。文字入力は一度もありません。
完了時に「合格」か「不良(差し戻し)」を選ぶだけで、やり直しの記録と費用が自動で残ります。
日本語/ベトナム語/英語/ポルトガル語/インドネシア語/中国語を切り替えると、画面の文言だけでなく工程名まで切り替わります。
台車のバーコードを読んだ瞬間、それより優先度・納期が上のロットが待っていれば、着手前に画面へ割り込みで警告が出ます。
「先にこちらを」とロットの写真ごと提示し、そのまま切り替えることも、確認のうえ続けることもできます。
現場が優先順位を覚えている必要も、事務所が口頭で指示する必要もありません。(Phase 2b)
デモで、ここをご確認ください
現場端末で1件だけ処理してみてください(台車を読む → 着手 → 完了 → 合格/不良を選ぶ → 置き場所を読む)。
その1件で、
仕掛品ボードと工場マップが同時に更新されます。
現場のたった2スキャンが、管理側の画面をそのまま埋めるという関係をご覧いただけます。
06
現場に負担をかけない仕組み
FOR THE FLOOR
作業者がすること(これで全部です)
台車のバーコードを読む
台車に貼りっぱなしのバーコードです。読むと、載っている製品の写真と数量が大きく出ます。品名が読めなくても写真で分かります
「着手」を押す
ボタンは画面の半分を占める大きさ。手袋をしたままでも押せます
作業が終わったら「完了」を押し、合格か不良かを選ぶ
大きな2つのボタン(✓合格 / ✗不良)だけです。所要時間は自動で記録されます。書き留める必要はありません
置き場所のバーコードを読む
「次はここに置いてください」と場所が指示されます。その通りに置いて、棚のバーコードを読むだけです
貼るバーコードは、2種類だけです
ご要望の「なるべく同じバーコードで、複雑な処理をやりたくない」に合わせた設計です。
| 何に貼るか | 枚数 | 貼り替え |
| 台車 | 台数分(数十枚) |
貼りっぱなし。破れたら、その1枚だけ作り直します |
置き場所 (棚・パレット) | 場所の数だけ |
貼りっぱなし。同上 |
ロットごとの現品票を、毎回印刷する必要はありません。
受注のときに事務所で「このロットは台車○番」と
1回だけ紐づけるだけです。
あとは現場は台車のバーコードを読むだけで、システム側が「いま台車○番に何が載っているか」を知っています。
出荷が終われば台車は自動的に空になり、次のロットに使えます。
- プリンタもラベルも、印刷の手間も要りません
- 粉体・溶剤・水で汚れても、破れた1枚を作り直すだけです
- 作業者が覚えることは「台車を読む」「置き場所を読む」の2つだけです
多言語対応について
ここは、方針をはっきりさせておきたい部分です。
言語切替は、多言語対応の「本体」ではありません
QRを読んでボタンを押すだけの操作なら、
そもそも文字を読まずに作業が完了します。
製品は写真、工程はアイコン、状態は色。これが多言語対応の本体です。
言語切替は、その上に乗せる
補助と位置づけています。切替がなくても操作できることを先に作ります。
| 対象 | 方針 |
現場画面 (作業者) |
多言語+非文字優先(写真・アイコン・色・数字)。文言はすべて辞書化し、辞書1枚の差し替えで言語を増減できます |
管理画面 (事務・管理者) |
日本語のみとします。ここまで多言語にすると費用が大きく増える割に、実際には使われないためです |
| 対応言語 |
日本語とベトナム語を主軸とします(ベトナム出身の方が多いと伺いました)。
これに英語/ポルトガル語/インドネシア語/中国語を加えた6言語をご用意します。
辞書1枚の差し替えで増減できるため、実際の構成に合わせて後から変更できます。
ベトナム語の表現は、実際に働いている方に確認したうえで確定します |
| 翻訳の品質 |
機械翻訳のままでは納品しません。実際に働いている方に見ていただき、現場で通じる言い回しに直す工程を導入作業に含めます |
「見て分かること」を最優先にしています
システムに慣れていない方が多い現場では、機能の数より、一目で分かるかどうかが定着を決めます。
そのため、次の4点を設計の原則にしています。
| 原則 | 具体的に何をするか |
| 画面を分けない |
人とモノを別々の画面にすると、2つ開いて頭の中で突き合わせる作業が発生します。
工場マップ1枚に、人とモノを同時に置きます。 |
| 表ではなく、地図で見せる |
一覧表は「読む」必要がありますが、見取り図は「見れば分かる」。
置き場所の名前を覚えていなくても、地図上の位置で分かります |
| 数字を読む前に、色で分かる |
3日で黄、7日で赤。止まっている物のほうから目に入ってきます。
探しに行くのではなく、気づける状態を作ります |
| 押すところを大きくする |
現場のボタンは画面の半分を占める大きさ。手袋のままでも、迷わず押せます |
置き場所の決め方
新しい番号を覚えていただく必要はありません。「炉の裏」「二階の棚」など、
いま現場で使っている呼び名をそのまま残し、棚にQRのラベルを貼るだけです。
ラベルは粉体・溶剤環境でも劣化しない素材を選定します。
07
原価の考え方
HOW WE CALCULATE
[材料原価/個] = Σ( 材料単価 × 原単位 )
粉体塗料 : 円/kg × 塗着量 kg/個
溶剤塗料 : 円/L × 使用量 L/個
薬剤 : 槽1回あたりの薬剤費 ÷ 1回で処理できる個数
副資材 : マスキング材・治具・梱包材 円/個
[人件費原価/個] = Σ( 工程の標準工数(分/個) × 工程賃率(円/分) )
工程賃率 = その工程に立つ方の平均時給(法定福利費込) ÷ 60
[差し戻し原価/個] = 差し戻し率 × 差し戻し1回あたりの費用
差し戻し1回あたり = 剥離工数 × 賃率 + 剥離剤
+ 戻し先の工程以降の再作業(工数 × 賃率)
+ 塗料の再消費
[製造原価/個] = 材料原価 + 人件費原価 + 差し戻し原価
[良品原価/個] = 製造原価 ÷ 良品率 ← 不良分を良品が背負う
[粗利/個] = 売単価 - 良品原価
[粗利率] = 粗利 ÷ 売単価
標準工数(固定工数)の決め方
「そんな数字は持っていない」と思われるかもしれませんが、3つの方法を併用すれば埋まります。
- 過去実績からの逆算 — 「このロット100個を2人で3時間流した」→ 3.6分/個。出荷実績と事務方の記憶から、主要品番を埋めていきます
- ISO9001の工程管理基準から — 御社は2008年からISO9001を運用され、各工程の管理基準が明確に文書化されていると伺っています。標準工数の根拠は、既に社内にある可能性が高いと考えています
- 製品グループの代表値 — 「17インチホイール(粉体・単色)」のような群に代表値を置き、品番はそれを継承します
全品番を埋める必要はありません。
製品グループに代表値を置き、個別に違う品番だけ上書きする方式です。
導入時は売上上位の20〜30品番から始めれば、売上の大半の原価が見えるようになります。
この整備作業は当社が伴走します(お客様に丸投げしません)。
間違った数字は、黙って出しません。
標準工数が未設定の品番は、画面に「未設定」と明示します。
数字が入っているのに根拠がない、という状態を作らないことが、このシステムが信用されるための条件だと考えています。
差し戻し(やり直し)を、原価に載せます
塗装のやり直しは、剥離 → 前処理からやり直し → 塗料の再消費がまとめて発生します。
1回あたりの費用は決して小さくありません。
| 品番(デモの例) | 差し戻し率 |
1回あたり費用 | 原価への上乗せ | 年間損失 |
| 18インチホイール(2コート) | 6% | ¥1,445 | ¥86.7/個 | 187万円 |
| 17インチホイール(単色) | 3% | ¥949 | ¥28.5/個 | 164万円 |
| 防犯カメラ筐体 | 2% | ¥394 | ¥7.9/個 | 85万円 |
※ デモ用の仮の数値です。8品番の合計で年間およそ600万円という規模になります。
率は、最初は「体感」で置いてかまいません
「この品番は20本に1本くらい戻る」=5%、という置き方で始めます。
そして
現場端末で「不良(差し戻し)」が押されるたびに実績が溜まり、体感の率が実績の率に置き換わっていきます。
差し戻しの多い品番は、
そのぶん高い単価をいただく必要があると数字で言えるようになります。
差し戻されたロットは、仕掛品ボードで自動的に最優先へ上がります。
やり直しは納期を圧迫するため、放置すると納期遅れに直結するからです。
ご相談したい論点:焼付炉の費用をどう扱うか
焼付乾燥炉はバッチ処理で、1個焼いても満載で焼いても掛かるエネルギーはほぼ同じです。
つまり小ロット品は、本質的に原価が高いということになります。
| 案 | 内容 | 向き/不向き |
| 案A | 材料費+人件費のみで計算する |
シンプルで導入が早い。まずはここから始める判断も十分にあり得ます |
| 案B | 焼付炉の費用を「1バッチの費用 ÷ 充填数」で載せる |
小ロット品の本当のコストが見える。少量多品種という御社の売りの、値決め方針そのものに関わります |
デモの経営ダッシュボードで、案A/案Bを切り替えて数字の変化をご覧いただけます。まず案Aで始め、運用が回ってから案Bへ広げることも可能です。
08
導入の順序
PHASES
一度にすべてを作らず、「先に1階、次に2階」の順で進めます。
さらに2階は、「まず見えるようにする」と「事務所が能動的に指示する」という
性質の異なる2つの段階(2a/2b)に分けます。
この順番自体が、前回の失敗を繰り返さないための設計です。
Phase 1 / 原価と粗利が回る作業者の入力:不要
3つのマスタ(品番・工程・材料)/
標準工数の登録/差し戻し率の設定/受注・ロット登録/
原価の自動計算(人件費+材料+差し戻し)/粗利ダッシュボード/差し戻し損失の可視化/
見積シミュレーター/Excel・CSV出力
この段階で手に入るもの:製品ごとの粗利が見えます。赤字の品番、ほとんど利益の出ていない品番、
やり直しで利益が溶けている品番が特定できます。
値上げ交渉の材料が揃い、新規の見積を根拠を持って出せるようになります。
現場には、まだ何もお願いしません。
Phase 2a / 仕掛品の所在を見えるようにする現場の1タップを開始
台車バーコードの発行と貼付/保管場所の番地化とバーコード貼付/2スキャンでの所在記録/
工程の着手・完了/
合格・差し戻しの記録/仕掛品ボード(
閲覧・納期順の自動並び)/
工場マップ(人とモノを1枚で)/多言語UI基盤(日本語+ベトナム語)
この段階で手に入るもの:探す時間がなくなります。引き継ぎで作業が止まらなくなります。
並び順は納期の早い順に自動で決まるため、事務所が何もしなくてもこの段階だけで運用が回ります。
ここが仮に定着しなくても、Phase 1 は動き続けます。
Phase 2b / 優先度を事務所が能動的に指示する2aの運用が定着してから
仕掛品ボードの
手動ドラッグによる優先順位変更/
納期危険一覧と自動アラート(Google Chat・メール)/
現場端末での割り込み警告(優先度・納期が上のロットが待っているときに、着手前に知らせる)/
追加言語(英語・ポルトガル語・インドネシア語・中国語)
この段階で手に入るもの:「これを先にやって」を口で言わずに画面で伝えられます。
現場が別のロットに手を伸ばそうとした瞬間に、システムが気づかせます。
納期が危ないロットは、事務所が画面を見ていなくてもアラートで気づけます。
2aが定着したあとに追加する段階なので、無理に急ぐ必要はありません。
Phase 3 / 精度を上げる実績が溜まってから
標準工数の実績補正(実績÷標準の乖離レポート)/
差し戻し率の実績への置き換え/
塗料の在庫・使用量管理/検査記録のデジタル化(膜厚・密着・色差、塩水噴霧、VHX-8000画像)/
差し戻し理由の分析(どの工程で、なぜ戻っているか)
この段階で手に入るもの:Phase 2 で溜まった実績時間で標準工数を補正し、原価の精度が上がります。
乖離の大きい品番=見積が外れている品番が分かります。
検査記録まで載せれば、ISO9001の審査対応の工数も減らせます。
09
技術構成・体制・期間
HOW WE BUILD
技術構成
御社が推進されている Google Workspace をそのまま活かす構成にします。
新しいサーバーの購入や、専用ソフトのインストールは不要です。
| 層 | 採用 | 理由 |
| 画面 | ブラウザで動くWebアプリ |
PC・タブレット・スマホのどれでも同じ画面。アプリのインストールと端末管理が不要です |
| 処理 | Google Apps Script |
Google Workspace に標準で含まれます。サーバー費用が発生しません |
| データ | Google スプレッドシート |
中身を事務の方が直接見て直せます。ブラックボックスになりません。データはお客様の Google アカウントの中に置かれます |
| 公開 | Cloudflare Pages |
画面の配信。無償枠で運用できます |
※ Phase 2 で現場の打刻が非常に多くなる場合のみ、データ層をより高速な仕組みに変更することを検討します。その判断は実際の件数を見てから行います。
現場に必要なもの
- タブレット(工程の要所に設置。設置台数はご相談のうえ決定します)
- バーコードリーダー(手袋のまま扱えるよう、タブレットのカメラではなく有線リーダーを推奨します)
- 大型モニタ(工場マップの常時表示用。既存のモニタを流用いただけます)
- バーコードラベル(台車用と保管場所用の2種類のみ。貼りっぱなしで、印刷の運用は発生しません)
期間の目安
| 工程 | 期間 | 内容 |
| 要件確認 | 2〜3週間 | 現場の拝見、工程と保管場所の棚卸し、品番の整理方針の決定 |
| Phase 1 開発 | 2〜3ヶ月 | マスタ・原価計算・ダッシュボード・見積シミュレーター |
| マスタ整備の伴走 | 開発と並行 | 上位20〜30品番の標準工数・材料原単位を当社が一緒に埋めます |
| Phase 1 稼働 | — | この時点で粗利が見えるようになります |
| Phase 2a 開発 | 1.5〜2ヶ月 | 台車・置き場所のバーコード運用/仕掛品ボード(閲覧)/工場マップ/多言語UI基盤。現場での試験運用を含みます |
| Phase 2a 稼働 | — | この時点で「探さない」が実現します。ここで一度、現場の定着を見極めます |
| Phase 2b 開発 | 1〜1.5ヶ月 | 優先順位のドラッグ操作/納期危険一覧と自動アラート/現場端末の割り込み警告/追加言語 |
着手時期のご希望を伺えていないため、月数のみの記載としています。ご希望の時期に合わせて具体的な日程をお出しします。
10
費用について
INVESTMENT
金額は、品番数・保管場所の数・現場端末の台数・対応言語の数によって大きく変わります。
これらを伺う前に数字だけをお出しすると、後で上下して御社にご迷惑をおかけします。
正式なお見積りは、次章のヒアリングをさせていただいた後に個別にご提出します。
ここでは、何にお金がかかるのかという構造だけ先にお示しします。
| 項目 | 内容 |
| Phase 1 初期開発費 |
3つのマスタ(品番・工程・材料)/原価の自動計算(差し戻し費用を含む)/粗利ダッシュボード/見積シミュレーター/Excel・CSV出力 |
| Phase 2a 初期開発費 |
台車・保管場所のバーコード運用/2スキャンでの所在記録/合格・差し戻しの記録/仕掛品ボード(閲覧)/工場マップ/多言語UI基盤(日本語+ベトナム語) |
| Phase 2b 初期開発費 |
優先順位のドラッグ操作/納期危険一覧と自動アラート/現場端末での割り込み警告/追加言語(英語・ポルトガル語・インドネシア語・中国語) |
| マスタ整備の伴走 |
上位20〜30品番の標準工数・材料原単位を、当社が一緒に埋める作業 |
| ハードウェア |
タブレット・バーコードリーダー・大型モニタ・QRラベル。市販品を御社で直接ご購入いただく形も可能です(当社の利益を乗せません) |
| 月額運用費 |
稼働後の保守・小さな改修への対応 |
| サーバー費用 |
0円。Google Workspace と Cloudflare の無償枠で運用します。毎月の固定費が積み上がらない構成です |
お見積りを左右する要素
次章のヒアリングで伺いたいのは、まさにここです。
| 要素 | 費用への効き方 |
| アクティブな品番数 | マスタ整備の作業量に直結します。製品グループでまとめられる度合いによって、大きく変わります |
| 保管場所の数 | 場所マスタの設計と、QRラベルの枚数に効きます |
| 現場端末の台数 | ハードウェアの実費に直結します。まず1〜2台から始めることも可能です |
| 対応言語の数 | 翻訳と現場確認の工数に効きます。日本語+ベトナム語だけに絞れば、その分下がります |
| 台車の台数 | バーコードラベルの枚数と、初期の紐づけ作業に効きます |
| 既存の帳票を活かせるか | いまの現品票や台車の運用をそのまま使えるなら、その分の設計が不要になります |
進め方のご提案 ― Phase 1・2a・2b は分けて発注いただけます
Phase 1 だけでも「製品ごとの粗利が見える」という成果は完結します。
Phase 2 もさらに
2a(見えるようにする)と
2b(事務所が能動的に指示する)に分けています。
2a は事務所が何もしなくても運用が回る段階、2b は現場で2aが定着したのを確認してから追加する段階です。
段階を分けて発注いただければ、
最初にお預かりする金額を抑えたまま、各段階の効果を確認してから次に進めます。
前回、日報システムで思うような結果にならなかったご経験を踏まえると、
「一度に全部を決めない」進め方がもっとも安全だと考えています。
助成金の活用
IT導入補助金や、社内でシステムを使いこなす教育と組み合わせる場合の人材開発支援助成金など、
活用できる制度がある可能性があります。ご希望があれば、適用可能性の調査からお手伝いします。
(現時点では適用可否を確認できておりません)
11
次のステップ
NEXT
1. デモをお試しください
この提案書からリンクしているデモを、実際に触ってみてください。
現場のキーマンの方にも見ていただけると、いちばん有効です。
「これなら使える/これは使えない」というご意見が、設計の精度を上げます。
2. 現場を拝見させてください
工程の流れと、仕掛品の置かれている場所を実際に見せていただきたいです。
保管場所の呼び名や、現在の現品票の運用を拝見できれば、設計が一段具体的になります。
3. 次回、伺いたいこと
| 項目 | なぜ必要か |
| アクティブな品番数/月間のロット数/1ロットの数量 | マスタ整備の量と、システムの規模を見積もるため |
| 現在の原価の出し方と、売価の決め方 | いまの運用のどこを置き換え、どこを残すかを決めるため |
| 素材は支給か、自社調達か | 材料原価に何を含めるかが変わるため |
| 仕掛品の保管場所の数と、現在の呼び名 | 場所マスタの設計と、QRラベルの枚数のため |
| 作業者の方の言語構成(何語が何名) | 実際に必要な言語だけを実装するため。推測で決めたくありません |
| 現在の生産指示の出し方(現品票の有無) | いまの帳票を活かせるかを判断するため |
| 台車の台数と、いまの使われ方 | バーコードの枚数と、1台に複数ロットを載せることがあるかを確認するため |
| 差し戻し(やり直し)の頻度と、戻す工程 | 品番ごとの差し戻し率の初期値を置くため。体感で結構です |
| 経理・販売管理ソフトは何をお使いか | 原価データの出口を合わせるため |
| 横須賀工場のネットワーク環境 | 現場端末が問題なく動くかを確認するため |
| 前回の日報システムについて、もう少し詳しく | 同じことを繰り返さないために、いちばん伺いたい点です |
4. 実データで作り直したダッシュボードをお見せします
デモに表示されている品番と金額は、すべて架空のサンプルです。
実際の品番を2〜3点だけ教えていただければ、本物の数字に差し替えたものをお持ちします。
そこで赤字の品番が見つかった場合、そのインパクトはサンプルの比ではありません。